エギングの基礎知識!
エギングってどんな釣り?
エギングはルアー釣りの一種で、エギ(餌木)とよばれる疑似餌でイカを誘う釣り。
足場の良い漁港や堤防から釣りができて、必要な道具はロッドとエギだけと準備いらずで手軽なのが一番のメリット。
平日の空き時間や仕事帰り、休日の午後から子供を連れて少しだけ、とライフスタイルに合わせて気軽にできる釣りとして人気が高いのがエギングです。
狙うのは高級魚のアオリイカ!
エギングでのメインターゲットとなるのはイカの王様「アオリイカ」。
アオリイカは市場でも高値で取引されている高級魚。
刺身や料理にしておいしくいただく事ができます。
エギングのシーズンは1年中!
エギングは1年中楽しむことができますが、メインシーズンは春と秋。
特に、春は産卵時期になるので活性が高く、大型サイズを狙える時期。
2キロを超えるような大物が釣れることもあります。
一方、秋は稚魚が成長して捕食時期にに入るので、小ぶりながら浅瀬から数を狙えます。
てのひらサイズが多いですが、500-1kgクラスが釣れることもあります。
釣れる時間帯は24時間!
イカは朝から晩まで24時間、いつでも釣ることができます。
エギの動きやイカの反応を水面から目で確認できる日中の方がやりやすいのでオススメ。
特に釣りやすい時間帯は、他の魚と同様に活性が上がる日の出の朝まずめと日の入りの夕まずめ。

「まずめ」とはカンタンにいってしまえば海中のプランクトンが動き始める時間。
エサとなる小魚が動きはじめることでイカが「捕食モード」に入ります。
そのため、これらの時間帯が釣りやすくなるというしくみです。
また、アオリイカは夜行性が強いので、日没後からの夜の時間帯でも狙うことができます。
狙うポイント
イカは漁港や堤防から磯まで、あらゆる所で狙うことができます。
岩場や海藻
ポイントは岩場などの障害物がある所や海藻がある場所。
性質上、障害物に隠れて捕食活動を行うので、隠れる場所があるところが狙い目。
そして、産卵期は海藻帯に卵を産み付けるので、海藻も狙い目なります。
小魚
漁港の角など小魚が集まりやすい場所もイカが狙えるポイント。
イカのエサとなる小魚を狙ってイカが寄ってきます。
イカは小魚や甲殻類を食べる攻撃的な肉食動物で、アジやイワシなどの小魚やサンマなども襲います。
そのため、小魚が多いポイントではイカが狙いやすくなります。
墨跡を探す
オススメのポイントの探し方としては、堤防や防波堤に付いた「墨跡」を探すこと。
釣り上げたイカや、釣ったイカを捌く際にイカが墨を吐きます。
そのため、墨跡はその場所でイカが釣れた証拠。
つまり、その場所付近ではイカが釣れるということでポイントの参考にすることができます。
エギングの道具(タックル)
エギングに必要な道具はシンプルで、基本はロッド(竿)とリール、エギだけがあればOK。
他の釣りに比べて手軽な装備で行けるのが人気の理由ですね。
ここでは、初心者でも扱いやすく、かつ値段も手頃なタックルを解説します。
ロッド
ロッドとはいわゆる「竿」のこと。
そのなかでもエギングでは、エギングロッドといって専用のロッドが作られています。
エギング用のロッドは軽く、ハリがある造りになっているのが特徴。
エギング特有の誘い動作である「シャクリ」がしやすくなっています。
高価な竿になるほど軽くて感度が高く作られていたり、高価なパーツが使われていたりします。
初心者ならエントリーモデルでも十分?
とはいえ、週に1回から月に数回程度の釣行で、数時間程度しかやらないのであればそこまで高価なロッドにこだわる必要はありません。
たとえば軽さだけをとっても最高級モデルとエントリーモデルでの違いは10g程度で金額は5万円も違う。
なんてこともあります。
エギングロッドは人気があることもあって釣りメーカー各社が開発に力を入れているラインナップです。
製品の違いはほんの少しなので、まずはエントリーモデルからはじめるのがオススメです。
エギングロッド
リール
エギングに使うリールは0.6-0.8号のPEラインが100m-150m巻くことができる小型-中型のスピニングリールであれば、どんなものでもOK。
番手で言えば2500-3000番台が主流。
エギング専用のリールである必要はありません。
リールもロッドと同様に、はじめはエントリーモデルで問題ありません。
手持ちのリールがあれば0.6-1号のPEラインを巻いて流用することもできます。
ハンドルはダブルハンドルがオススメ。
ダブルハンドルの方がラインスラック(糸ふけ)の微調整がしやすい事もあって、エギングではダブルハンドルが人気です。
また、注意点としてはサイズが大きな重いリールだと長時間の釣行が辛くなってしまうので、できるだけ軽いものを選ぶのがオススメです。
エギングリール
仕掛け
仕掛けとはリールと竿、そしてエギを繋ぐためのラインと、接続するためのスナップのこと。
はじめてのエギングでイチバン複雑に感じてしまうのが仕掛け。
とはいえ、エギングの仕掛けは他の釣りに比べてシンプルで分かりやすいので、分解して順番に解説します。
PEライン
PEラインは、リールに巻くためのライン(糸)。
PEラインはポリエチレン素材の細い糸を編み込んだ糸で、細く、強度が高く、そして感度が高いのが特徴。
エギングで主流になるPEラインは0.6-0.8号程度の太さ。
シャクってアタリを取るエギングにはPEラインがピッタリになります。
PEラインは細くなればなるほど風の抵抗を受けにくくなるため飛距離を出しやすくなるのでキャスティングが有利になりますが、その分切れやすくなったり、絡みやすくなったりと扱いが繊細になります。
そのため、はじめてのエギングでは0.8号程度でやってみるのがオススメです。
エギング用PEライン
ショックリーダー
ショックリーダーはPEラインとエギの間に付けるライン。
ショックリーダーはフロロカーボン製で、強い衝撃や障害物との摩擦でもラインが切れないようにするために使用します。
エギングで主流になるショックリーダーの太さは、2号(8lb)前後になります。
大物を狙う場合はより強度の高い3号(12lb)程度を使う事もありますが、エギの動きが悪くなるといったデメリットもあります。
はじめてのエギングでは2号(8lb)程度の太さが強度と操作性のバランスが最も良いでしょう。
エギング用ショックリーダー
エギ
エギ(餌木)はイカを誘うための専用ルアーのようなもの。
たくさんのメーカーから豊富なバリエーションのエギが選べます。
値段も300円程度で買えるものから2,000円を超えるものまで様々。
選ぶポイントは号数。
号数とはサイズのことで、基準となる3.5号から小物サイズ用の2.5-3号や大物サイズ用の4号などがあります。
高いエギと安いエギの違いはアクションの安定性や素材の質。
はじめてのエギングでは根掛かりでロストしてしまうことを考えて、安めの3-3.5号を2-3個買っておくのが良いでしょう。
エギの色やサイズは釣る地域やポイント、季節によって変わるので、あなたにとっての「エースエギ」を探してみてください。
人気のエギメーカー
- DUEL/YO-ZURI – EZ-Q・アオリーQ・パタパタQ
- ヤマシタ – エギ王
- ダイワ – エメラルダス
スナップ
スナップはショックリーダーとエギを繋ぐための小さな金具。
スナップを使わずにリーダーを直接エギに結び付けてしまっても問題はありません。
なのですが、スナップを付けておくとエギの付け外しが簡単に行えるので、エギの交換が簡単にできるようになるのが便利。
イカの反応が無いときや、水面にイカが見えているのに食いつきが悪いときなどは、別のエギにサッと付け替えてパッと投げるといったこともできるようになるので便利です。
スナップ単純な金具や、回転を抑えるスイベル型などがありますが、どんなものでもOKです。
エギングのラインの結び方
エギングの仕掛けで、ラインを結ぶ必要がある場所は2か所。
- PEラインとショックリーダー
- ショックリーダーとスナップ
はじめは難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばそれぞれ1分程度でできてしまうので何度か練習して慣れてしまいましょう。
PEラインとショックリーダーの結び方
PEラインとショックリーダーを結ぶ方法はいくつかありますが、どれでもOKです。
はじめは簡単な結び方からで大丈夫です。
まず初心者におすすめなのは「ファイヤーノット」。
1分程度で結ぶことができて、結束強度も64-84%程度とライトゲームには十分。
ファイヤーノット – PEライン+ショックリーダー
慣れてきたら、時間はかかるけどより結束強度の強いFGノットなどで結べるように練習するとベターです。
FGノットの結び方
ショックリーダーとスナップ(エギ)の結び方
ショックリーダーとスナップを結ぶ方法も、いくつかあります。
こちらもPEライン/ショックリーダの結び方と同様に、はじめは簡単な結び方からで大丈夫です。
ユニノット – リーダー+スナップの結び方
まずはじめは、ユニノットがカンタンで覚えやすいのでおすすめ。
PEとリーダーの時と同様に、慣れてきたらより結束強度が高い結び方を覚えましょう。
漁師結び
釣り方
タックルを揃えて仕掛けができたら装備を持って実際に釣ってみましょう!
はじめは近所の堤防や漁港で十分。
まずは、エギを投げることに慣れることからはじめればOKです。
エギングの流れは全部で5ステップ。
- キャスト – 投げ方
- シャクリ – 基本動作
- あわせ
- ランディング
キャスト
エギを投げることを「キャスト」といいます。
スピニングリールの使い方は他の釣りと同じで、ルアー釣りの経験があればキャスト方法は全く同じです。
キャストしたエギは自重でスーッっと沈んでいき、数秒で着底します。
着底するまでの落ちる時間を大体でよいので「いーち、にー、さーん」とカウントしておくと良いです。
というのも、実際には毎回底に着くまで待っていたら根掛かりしまくるので、底に着く前に巻きはじめるくらいでOK。
根掛かりでエギをロストするとテンションも下がってしまいますからね。
シャクリ
シャクリはエギングの象徴的な動作でもあります。
シャクリの目的は着底したエギを高く跳ね上げて動かしてあげること。
エギのアクションに誘われてイカが抱きついてきます。
あわせ
エギングではあわせをそこまで意識する必要はありません。
エギにイカが掛かると、ロッドに重みがグッと掛かります。
海中で障害物やビニールの袋に引っかかったような感覚です。
イカが掛かった際に注意するポイントとしては、ラインを緩めないこと。
しっかりとテンション(張り)を保ったまま、ロッドを立てればOKです。
ランディング
ラインを緩めないようにして、ロッドを45-60度程度に立てたまま、リールでラインを巻き取っていきます。
ムリに引っ張りすぎるとラインが切れてしまうこともあるので、ロッドで重みを吸収しながらムリせずラインを巻き取っていきます。
締め方
イカが釣れたなら新鮮なイカを美味しくいただきたいですよね。
特にアオリイカは刺身、ガーリック風味のバター焼き、煮付けとどんな料理にしても絶品。
釣ったイカを美味しく持ち帰るポイントは3つ。
- 締める
- 袋に入れて密閉
- 冷やす
イカは締めなくても鮮度は落ちない
イカは魚と違って締めなくても鮮度は落ちないので必ずしも締める必要はありません。
なのですが、クーラーボックスそのまま入れてしまうと墨を吐きまくるので他のものまで真っ黒になってしまいます。
そこで、締めた後に墨を吐かせて袋に入れて持ち帰ります。
冷やして持ち帰る
イカは鮮度を保つために氷で冷やしたクーラーボックスで持ち帰ります。
あまり冷やしすぎても身が固くなってしまうので、冷やしすぎないのもポイント。
直接氷が当たらないように、ジップロックなどに入れてからクーラーボックスにいれておけば冷えすぎずに安心です。
後片づけ
釣りで重要なのは後片づけ。
エギングはあまりゴミが多く出る釣りではありませんが、
- ラインの切れ端や釣り具のゴミは持ち帰る
- 食べ物や飲み物のゴミは持ち帰る
- 締めたイカの墨は水で洗い流す
といった点は最低限守りましょう。
というのも、こういったゴミやマナーが理由で釣り禁止になっている漁港が年々少しずつ増えていっているからです。
釣り人が増えて漁港が荒らされることで、漁協(漁業協同組合)側は漁港自体を釣り禁止にしてしてしまうといった動きが出てきています。
良い釣り場で釣りを楽しむために、最低限できる事はやっておきたいですね。